『神々の箱庭』
 
DOLLとともに綴ったブログです。
 
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2010年7月30日を表示

『半神』

まったく違う魂の色なのに、どこか似ていた。
そっくりなのに、明らかに違う。

もしもこの世界が二つ存在していて、もう一人の自分が存在しているとしたら?
もしもその世界が何らかの事象の偶然の一致で交わってしまったなら?
まったく違う人生を歩んでいる自分がいたとしたら、君は彼に嫉妬するだろうか?
“私と同じ苦しみを味わってないなんて”と。
“自分のほうが不幸なんじゃないか”と疑惑を覚えたりするだろうか?
そんな無駄なことを思うのは、君が君を愛しているから。
“誰かよりもほんの少しだけ幸せになりたい”
そう願うなら、ほら、彼より君は幸せなんだ。

●モデルドール・・・ネフィア、ルーファ



Friday, 30, Jul 21:49 | トラックバック(0) | コメント(0) | ネフィア | 管理

『眠りの森』

夢を見ていた。
遠い過去の夢だ。焼けた故郷に別れを告げ、血を分けたものと逃げるように森を後にした。
失われた一族のすべてを取り戻すには時は遅すぎた。
もうずいぶんと闘争の日々に追われ、戦いの意味さえも失われていく。
いつしか復讐の意味さえ失ってしまうのではないだろうか?
ただまどろみの中は居心地がよかった。
痛みに目をつむってしまえば、その闇はあまりにも優しい。
誰かが笑った気がした。一瞬、あの森の臭いがした気がした。
そして思い出す。彼の言葉を。
「絶対にあきらめたりしてはいけないんだ。」
獣は開眼した。まどろみは終わりをつげ、ゆりかごはなくなった。
そして運命は舞台の幕を開ける。
刻々と---刻々と。



Friday, 30, Jul 21:43 | トラックバック(0) | コメント(0) | トーニャ | 管理

『黒い古書の青年』

天使のような青年は、鞄から厚い黒い表紙の古書を取り出した。
そこには黒い文字でこう記されている。
『神々の祝詞』

たとえばこの世界が二つの白と黒の箱庭で出来ているなら、この世界の運命が二通りあらかじめ用意をされていたとしたら、それを選択出来るものは誰なのだろうか。

選ばれし英雄?ダイヤの原石?白馬の騎士?
それともありふれた私たち?

二つの世界が交差するとき、世界は革新する。
青年は悲しげにほほ笑んで黒い古書を弄ぶ。
そして彼は天界へ帰って行く。



Friday, 30, Jul 21:35 | トラックバック(0) | コメント(0) | ネフィア | 管理

『白い古書の青年』

路上を去った青年は古書を手で弄んだ。
澄んだ瞳で遠くを見て、下らない本だと、運命という言葉とともにその本を切り捨てた。
どんな過酷な運命をも改竄出来るという神の書物。

しかしそんなもの人間には必要のない物。

人間の運命は、人間自身が作り上げるのだ。
青年はそう知っていた。神は彼らが作り上げた偶像に過ぎない。彼らが生みだす彼ら自身が神なのだ。
だから、こんな本はいらない。

青年は異界へ帰って行く。その純白の古書を携えて。
一方深い色の目の青年は----

●モデルドール・・・ルーファ



Friday, 30, Jul 21:29 | トラックバック(0) | コメント(0) | ルーファ | 管理

『迷いの国』

闇の中で迷子になった。
どんなに出口を探しても見つからないのは、きっと出口がないからなのだと自分に言い聞かせる。
だってもしも出口があるのなら、とっくの昔に抜け出ていたはず。
今頃は暖かい光に抱かれ、眠っていたはず。
あの人や、あの人のように。

夢を見た。
生まれてきた朝の夢だ。目覚めたとき、目の前には天使のような青年がいた。
澄み渡る空のような瞳。
黄金よりも輝く金髪。
天から天使が落ちてきたのかと思った。
彼は手を差し伸べてこう言った。

「怖がらないで。君はこの世界に愛されているんだから。」


●モデルドール・・・ラミア



Friday, 30, Jul 21:23 | トラックバック(0) | コメント(0) | ラミア | 管理

『葛藤』

真っ赤な月が嘲笑う。
私の皮肉な運命を。
軍隊という箱庭。逃れられぬ箱庭。
でも、私は絶対に逃げない。私はどこからも逃げない。
どんなにこの世が残酷な神に糸をひかれたとしても。

美しい一族だった。森とともに生きた強い一族だった。
滅ぼすにはあまりにも尊い命。

だが私はその一族を滅ぼした。
やがては彼らの一族の生き残りが、復讐に来るだろう。彼らの瞳の色は、きっと、緋色。

あの日、彼らの故郷を覆った炎の{赫}。

●モデルドール・・・鈴猫(LAWさん宅)



Friday, 30, Jul 21:17 | トラックバック(0) | コメント(0) | その他DOLL | 管理

『運命の流転』

路上に青年がいた。
痩身でスタイリッシュな青年は不思議な二人の青年を見ていた。
通りをはさんだ向こう側。さびれたベンチに座ったその青年の手には白い表紙の古書。
そこには終わりから始まりへの運命が幾重にも張り巡らされた網羅の中記されているという。

もしも運命を変えることが出来たなら、書き換えて、改竄することが出来たなら・・・彼女を蘇らせることが出来るなら。

ふと澄んだ眼の青年が彼を見た。その瞳に見つめられるだけで彼の背に冷たい物が下った。
やがてその青年はもう一人の青年の手からその古書を取り上げると彼に背を向ける。
運命はゆがんでいく。
クルクルと・・・狂狂と。



Friday, 30, Jul 14:42 | トラックバック(0) | コメント(0) | 雪那カイト | 管理

『鮮血の呪い』

{ヴァンパイアの幻想}

満月がかけ始めたら貴方を迎えに行こう。光の中の貴方はあまりにも眩しくて、私には毒だけれど、それでも抑えられぬこの想いに抗うことは出来ない。
この腕はやがて貴方のすべてを奪い去る。
喜びも、自由も、運命も、すべて奪い去ってしまう。
その命さえも。

それでも約束しよう。
それ以上の永遠を与えると。

貴方と夢を見ましょう。長き眠りの夢を。
寄り添ってくれるなら。

●モデルドール・・・ラミア



Friday, 30, Jul 14:34 | トラックバック(0) | コメント(0) | ラミア | 管理

『誓い』

約束をしよう。
どんなにつらくても、戦い続けるって。
どんなにこの世界が不幸であふれていてあまりにも理不尽な仕打ちにうちしがれても、絶対にあきらめたりしないって。
どんなに死の幻想が甘く、優しく微笑みかけてきても、そこは始まりの場所じゃないこと忘れないで。
生きることはつらいけれど、与えられたチャンスだってこと、忘れないで。
生は脆く残酷。死は強靭で甘美。
それでも幻想の先にあるのは死なんかではないこと、君は忘れないで。

青年は忘れなかった。
生まれた朝に初めて視界ににじんだこもれみの暖かさを。
優しい母の子守唄を。
幼いころ兄弟とはしゃいだあの失われた森を。

生まれてきた日の喜びを。

●モデルドール・・・ソニア・オルハ



Friday, 30, Jul 14:25 | トラックバック(0) | コメント(0) | ソニア・オルハ | 管理

『水面の華』

水面に映る花のように儚い生き物は、滅びの道をただひたすらにあゆむ一族の運命を映していた。
滅びの不幸を嘆くのは簡単だが、それを取り戻すための闘争は耐えがたい痛みを伴う。
それでも彼らはそれを選んだ。

それは神に反旗を翻すかのような遊戯。
弑虐よりも恐ろしい罪。

圧倒的な力の差と、定められた運命の引力の強さに抗うように走り抜ける生は、不安など感じる暇はなく、ただがむしゃらに失ったものを取り戻そうとする幻想。

誰も逃れられぬ神の定めし運命。
あの幻想のあふれかえる冥界の水面に身を沈めるのは誰?

●モデルドール・・・トーニャ



Friday, 30, Jul 14:17 | トラックバック(0) | コメント(0) | トーニャ | 管理


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