『神々の箱庭』
 
DOLLとともに綴ったブログです。
 
AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する


その他DOLL

『春の蝶』

艶めかしい青年がいた。
彼は遊郭の窓辺に身を任せ、外の世界を見つめていた。
彼はいつも遠くの空を見ていたから、彼の求めているものが、ここでは無い、どこかひどく遠くにいるのであろうことはすぐに分かった。
夜の蝶は夜空に羽ばたく翼ももがれ、色とりどりの箱庭の中、一切の自由を失った。
{もがれた翼}
「自由」は、生まれたときに忘れた。
生まれたときからこの狭い箱庭の中にいたから、まさかそんなに広い世界が存在していようなど想像もできなかった。
それゆえに渇望という絶望を味合わなくともよかった。

---彼女に会うまでは---

蝶は夜空に舞う。たとえこの翅が捥がれようとも、どこまでも、遥か飛んでいけるのだと、希望を宿して。

●モデルドール・・・朔



Tuesday, 10, Aug 22:34 | トラックバック(0) | コメント(0) | その他DOLL | 管理

『組織』

その組織には優しき兄のような青年がいた。
物心ついたとき、自分には父も母もいないと知った。
家族など望んではいけない高望だと知った。
家族の代わりに組織にいた。そこは厳しく、血を吐くような苦しい日々を強いられるのに、その青年に出会うと心が和んだ。
鋭い目をした青年は、どこか虚ろな瞳をしていたけれど、彼らをその瞳に映すと器用に瞳の奥で笑う。
死に一番近い夜でも彼のその瞳の色は変わらなかった。
{生き映しの青年}
毎日毒を食べさせられるかのような痛みを伴うこの世界で、生き映しのように毎日蝕まれてもなお生きようとする小さな命を救いあげた。
夕日に染まる丘。消滅した魔女の祈り。
青年は忘れない。あの、懇願する炎の魔女の最期を。

●モデルドール・・・鋼麒(LAWさん宅)・アルテミス・ロキ



Friday, 06, Aug 22:34 | トラックバック(0) | コメント(0) | その他DOLL | 管理

『異端訪問の書籍』

少年は眠そうな目をこすり手にした書籍を軽く放り投げた。少年の周りには信じられないほど大量の書籍が散らばっている。
どれもオカルトの起源にかかわる書物なのだが、まじめな顔をして少年は真夜中の月と書物を照らし合わせた。
「おかしいなぁ、実在するはずなのに」
少年が手を止めたた項目には血文字で“吸血鬼”“狼男”と書いてある。
そんな少年の後ろから怒ったような声がかけられた。
「いい加減にしろ、ばかばかしい!こんなもの存在するわけないだろ!」
見ればオレンジの髪が目にも生える美女が立っていた。
軍服を着こんだ彼女を見て少年は笑う。

誰かが滅ぼしたのだ。
彼女の手が震えていた。まるで何かを恐れるかのように。
自分の罪が漏えいするのを拒むように。

●モデルドール・・・針(LAWさん宅)



Thursday, 05, Aug 21:53 | トラックバック(0) | コメント(0) | その他DOLL | 管理

『方翅の揚羽蝶』

棺の中に少女はいた。

{白馬の王子という幻想}

その箱庭は暗く深く、一度入ったらけして外へは出られない。
そう知っていて尚そこに足を踏み入れたのは、今に迎えに来てくれる白馬の王子の幻想にとらわれたから。
みんなが夢見る白馬の皇子とは違うけれど、少女にとっては待ち焦がれた最愛の人だった。
彼は来る。
反逆の十字を抱き、彼女のもとへ。
やがて彼らは暁を目にするだろう。
この世界で見る最後の光景が、光あふれるものであるように。

そして暁はすべてを焼き尽くす。彼らの命さへも燃やし、灰に変えて。
しかし最後に見たのは、愛する者の幸せそうな笑み。
至高の宝石。

●モデルドール・・・ヨナ



Wednesday, 04, Aug 19:21 | トラックバック(0) | コメント(0) | その他DOLL | 管理

『葛藤』

真っ赤な月が嘲笑う。
私の皮肉な運命を。
軍隊という箱庭。逃れられぬ箱庭。
でも、私は絶対に逃げない。私はどこからも逃げない。
どんなにこの世が残酷な神に糸をひかれたとしても。

美しい一族だった。森とともに生きた強い一族だった。
滅ぼすにはあまりにも尊い命。

だが私はその一族を滅ぼした。
やがては彼らの一族の生き残りが、復讐に来るだろう。彼らの瞳の色は、きっと、緋色。

あの日、彼らの故郷を覆った炎の{赫}。

●モデルドール・・・鈴猫(LAWさん宅)



Friday, 30, Jul 21:17 | トラックバック(0) | コメント(0) | その他DOLL | 管理

『隔離された箱庭』

物心ついたとき、すでに花園に独りきりだった。
この花園に名を付けるなら、

“箱庭”

むせるような花の香りがすべての感覚を麻痺させて
まるでここが楽園のように感じるのはなぜ?

痛みも苦しみもない。すべてが満たされているこの美しい場所。神に守られ、永遠を約束された最後の楽園。

それなのに・・・空虚なのはなぜ?

苦しみも、悲しみも、痛みも、憎悪も、絶望も、あらゆる負の感情のないこの場所。
ここには―――

何もない。

幸せの概念すら。


●モデルドール・・・朔



Friday, 30, Jul 12:18 | トラックバック(0) | コメント(0) | その他DOLL | 管理


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