『神々の箱庭』
 
DOLLとともに綴ったブログです。
 
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トーニャ

『夢の終わり』

夢の終わりの夢を見た。
箱庭から逃げ出す夢だ。
{空白の記憶}
現実から逃避をすれば、過去はおぼろげな痛みと変貌し、あんなにも苦しんでいたのが馬鹿らしくなった。
過去を悔むのはあんなにもしんどく、現在の立ち位置で止まって空を見上げることは鈍い吐き気を催す。
毎日激動の日々を送り、その日々にうんざりしていたというのに、何もなくなった今のなんと空虚なことかと思う。
すべきことも、したいことも失って、一瞬一瞬があまりにも長く、すべての景色が灰色に染まってしまうのだ。
病とはそういうもので、自分に優しいようで、実は確実に自己をむしばむ毒となる。

青年はうっすらと目を開けた。また残酷な現実を見てしまう。しかし青年はもうけして目を閉じようとはしなかった。

●モデルドール・・・トーニャ



Friday, 06, Aug 22:26 | トラックバック(0) | コメント(0) | トーニャ | 管理

『緋色の月』

緋色の月を見ていた。
いつまでもこんな幸せが続けばいいと森に祈る。
風のようにたおやかに流れる時間の中で、彼ら獣の民は生きていた。
緋色の月に照らされて、あの月が時間をかけ満月になる日を思う。
赤い月が満ちれば蒼い月が欠け、彼らは獣へと変貌する。
ライカンという定めはさほど彼らには苦では無かったし、森とともに生きるのはうれしかった。
もう一度赤い月を見上げ、祈る。

こんな幸せがいつまでも続きますように、と。

●モデルドール・・・トーニャ



Wednesday, 04, Aug 19:25 | トラックバック(0) | コメント(0) | トーニャ | 管理

『白昼夢』

神の庭。
青年の箱庭。
獣が目を覚ますと、目の前には太陽をかたどった青年がいた。
彼は黒い文字で題名の記された漆黒の古書を腕に抱き、ほほ笑んだ。
「もしも神様がいて、願いを一つだけ叶えてくれるんだったら、君は何を願う?」
優しい深海の瞳にほほ笑まれ、何も答えられなかった。
望むことなど山ほどあったというのに。
一族の復活。あの夜を、すべての幸せを奪ったあの破滅の夜に帰れたら。
人生をやり直せるのに。
まるでその思いをくみ取ったかのように太陽が笑った。
「君は過去を望むの?」
息をのむ。生きている実感は薄れ、自分は過去という“箱庭”にとらわれていた。
そして、彼は祈った。

「---------」

●モデルドール・・・トーニャ



Wednesday, 04, Aug 19:10 | トラックバック(0) | コメント(0) | トーニャ | 管理

『眠りの森』

夢を見ていた。
遠い過去の夢だ。焼けた故郷に別れを告げ、血を分けたものと逃げるように森を後にした。
失われた一族のすべてを取り戻すには時は遅すぎた。
もうずいぶんと闘争の日々に追われ、戦いの意味さえも失われていく。
いつしか復讐の意味さえ失ってしまうのではないだろうか?
ただまどろみの中は居心地がよかった。
痛みに目をつむってしまえば、その闇はあまりにも優しい。
誰かが笑った気がした。一瞬、あの森の臭いがした気がした。
そして思い出す。彼の言葉を。
「絶対にあきらめたりしてはいけないんだ。」
獣は開眼した。まどろみは終わりをつげ、ゆりかごはなくなった。
そして運命は舞台の幕を開ける。
刻々と---刻々と。



Friday, 30, Jul 21:43 | トラックバック(0) | コメント(0) | トーニャ | 管理

『水面の華』

水面に映る花のように儚い生き物は、滅びの道をただひたすらにあゆむ一族の運命を映していた。
滅びの不幸を嘆くのは簡単だが、それを取り戻すための闘争は耐えがたい痛みを伴う。
それでも彼らはそれを選んだ。

それは神に反旗を翻すかのような遊戯。
弑虐よりも恐ろしい罪。

圧倒的な力の差と、定められた運命の引力の強さに抗うように走り抜ける生は、不安など感じる暇はなく、ただがむしゃらに失ったものを取り戻そうとする幻想。

誰も逃れられぬ神の定めし運命。
あの幻想のあふれかえる冥界の水面に身を沈めるのは誰?

●モデルドール・・・トーニャ



Friday, 30, Jul 14:17 | トラックバック(0) | コメント(0) | トーニャ | 管理


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